
検査を続けたい。でも、そのたびに全部の項目を調べると、費用も時間もかかる。新しい相手との性的接触が多い方には、そんな悩みもあると思います。
出会い系アプリで知り合った相手との接触や、風俗店の利用などが継続しているなら、症状がないときの検査も考えておきたいところです。ただ、出会い方だけで感染リスクは決まりません。相手の数、接触した部位、コンドームの使用などによって、必要な検査は変わります。
報告数から分かること、分からないこと
厚生労働省の2024年の確定年報に基づく集計では、性器クラミジア感染症は29,806件、淋菌感染症は8,791件、梅毒は14,829件でした。[1]
| 疾患 | データ年 | 報告数 | 集計の範囲 |
| 性器クラミジア感染症 | 2024年 | 29,806件 | 指定医療機関からの定点報告 |
| 淋菌感染症 | 2024年 | 8,791件 | 指定医療機関からの定点報告 |
| 梅毒 | 2024年 | 14,829件 | 診断された症例の全数届出 |
| HIV感染者・AIDS患者 | 2025年 | 計890件 | 新規届出。HIV感染者624件、AIDS患者266件 |
クラミジア・淋菌の数は、日本全体の感染者数ではありません。梅毒やHIVとは集計方法も異なるため、この表だけで「どの病気が何倍危険か」は判断できません。
2025年のHIV・AIDSの新規報告では、初回報告時にAIDSと診断された人が29.9%を占めました。感染した年を表す統計ではありませんが、症状が出てから初めて感染が分かるケースがあることは、知っておきたい事実です。[2]
なお、これらの報告数から「毎月が最適」「半年なら十分」という検査間隔が導けるわけではありません。
「毎月のど・性器、半年ごとに血液検査」という案は?
継続的に感染機会がある方が、費用と通いやすさを考えて、次のような案を医療機関に相談する方法はあります。
- のど・性器の淋菌やクラミジア:毎月の検査を検討する
- HIV・梅毒:少なくとも半年に1回を忘れない予定に入れ、もっと短い間隔が必要か相談する
これは編集部が考える相談用の案で、厚生労働省が全員に勧めている検査間隔ではありません。毎月の検査が必要か、のどで調べる項目は何かも、人によって異なります。
特に「HIVと梅毒は半年待ってよい」と受け取らないでください。国立国際医療センターのSH外来では、ゲイ・バイセクシュアル男性を対象とする研究ベースの診療として、HIV・梅毒・淋菌・クラミジアを概ね3か月ごとに検査しています。対象が限られた例ですが、半年より短い計画が必要になる場合があることを示しています。[3]
新しい相手との接触が多い時期や、相手の感染が分かったときは、それまでの予定にこだわらず相談しましょう。
接触した部位に合う検査

性器を調べる検査とのどを調べる検査は、同じではありません。オーラルセックス(フェラチオなど)や肛門への接触がある場合は、どの部位を調べるかも相談します。[3]
性器の検査でも、尿を採る方法と、ぬぐい液などを採る方法があります。商品名や検査項目数だけで選ばず、対象となる部位と採取方法を確認してください。
検査を増やすことだけを目標にせず、自分の接触に合った部位を調べることが大切です。
費用を抑える保健所の検査

HIVは保健所で無料・匿名の検査を受けられます。梅毒やクラミジア、淋菌も一緒に調べられる施設がありますが、検査項目は施設ごとに違い、一部有料の場合もあります。[4]
予約する前に、次の点を確認しておくと安心です。
- HIVと梅毒を同時に調べられるか
- 希望する検査が無料か、予約が必要か
- のどの検査にも対応しているか
- 心配な接触から、どのくらい経って受ける検査か
検査キットだけに頼らず、保健所と医療機関を組み合わせると、予算に合わせた計画を相談しやすくなります。
症状や心配な接触があるなら、次の予定日を待たない
排尿時の痛み、性器のしこりやただれ、発疹などがあるときや、パートナーの感染が分かったときは、検査キットを買う前に医療機関へ相談してください。厚生労働省も、このような場合には病院やクリニックへの受診を案内しています。[4]
検査直後の陰性は、その後の接触まで保証するものではありません。また、感染して間もない時期には、検査で判定できないことがあります。これをウィンドウ期といいます。
厚生労働省のHIV検査Q&Aでは、感染機会から3か月未満の検査も無意味ではないとしたうえで、陰性を確認するために3か月経過後の再検査を案内しています。「3か月待たないと相談できない」という意味ではありません。[5]
検査を予定に入れておくことと、心配なことがあればその都度相談すること。この二つを組み合わせて、自分に合う間隔を決めていきましょう。
