なぜこんなに股間がかゆいの?原因と受診・検査の目安

股間がかゆい!原因と受診の目安を紹介するイラスト

股間のかゆみは、蒸れやかぶれ、カンジダなどの感染でも起こります。かゆいだけで性病とは判断できません。性病は、性的な接触などでうつる感染症の総称で、「性感染症」とも呼ばれます。

かゆみが続く、繰り返す、発疹や痛みがある場合は、クリニック・病院を受診してください。強い痛みや発熱がある場合は、速やかに受診しましょう。

「股間」のどこがかゆい?

太ももの付け根、陰毛のある皮膚、陰嚢(精巣を包む袋)、亀頭(陰茎の先端)や包皮、外陰部(女性の性器の外側)、腟の入口では、考える原因が異なります。皮膚のかゆみなのか、排尿時の違和感やおりものの変化を伴うのかも、診察の手がかりです。

見た目が似ている病気もあるため、写真との比較だけで診断しないでください。女性の外陰部のかゆみがすべて腟カンジダとは限らず、男性の股間のかゆみもすべて「いんきんたむし」ではありません。NHS:腟炎、日本皮膚科学会:股部白癬

受診の目安と診療科

急な強い精巣(睾丸)の痛みは、かゆみとは別に救急受診が必要な症状です。 また、陰部の赤み・腫れが急速に広がる、強く痛む、発熱や悪寒がある場合も、速やかに医療機関へ相談してください。NHS:精巣の痛み、CDC:蜂窩織炎

それ以外でも、水ぶくれやただれ、排尿痛、分泌物の変化があるときは早めに受診しましょう。かゆみが続く・繰り返す・眠れないほど強い場合も、自己対処だけを続けないでください。NHS:性器ヘルペス、NHS:尿道炎、JIHS:疥癬(かいせん)

受診先の目安は、皮膚の発疹や陰毛周辺のかゆみなら皮膚科、陰茎・精巣や排尿の症状なら泌尿器科、外陰部・腟やおりものの症状なら婦人科です。性感染症を診療する医療機関でも相談できます。対応範囲は施設により異なるため、迷うときは予約時に症状を伝えましょう。

受診時には、発症日、かゆい部位、使った薬・洗浄剤、性行為の時期、身近な人の似た症状を伝えると役立ちます。

原因の早見表

以下は診断表ではなく、受診時に伝える症状を整理するための目安です。

考えられる原因症状・きっかけの例注意点
蒸れ・摩擦、接触皮膚炎(かぶれ)汗や締め付け、新しい石けん・洗剤などの使用後に赤み、ヒリヒリ、かゆみ洗いすぎも刺激になる
股部白癬(いんきんたむし)股の皮膚に、輪のように広がるかゆい発疹湿疹と似ることがあり、菌の確認が必要
カンジダ外陰部のかゆみと白く塊状のおりもの、亀頭・包皮の赤みや刺激感など性行為がなくても起こる
毛ジラミ陰毛周辺のかゆみ、毛に付着した卵や虫密接な身体接触などで広がる
疥癬(かいせん)夜に強いかゆみ、指の間・手首などにも発疹、陰部のしこり状の発疹性的接触以外でも感染する
性感染症水ぶくれ・ただれ、排尿痛、分泌物やおりものの変化など無症状の場合もあり、かゆみの有無では判断できない

表の根拠:NHS:接触皮膚炎(かぶれ)、NICE:蒸れ・摩擦による間擦疹、日本皮膚科学会:股部白癬、NHS:カンジダ、NHS:毛ジラミ、JIHS:疥癬(かいせん)

原因別の症状と注意点

蒸れ・かぶれと、いんきんたむしの違い

汗がたまり、皮膚同士がこすれる部位では炎症が起こりやすくなります。また、石けんや洗剤などによる刺激やアレルギーでもかゆみが生じます。「清潔にしよう」と何度も洗うことが逆効果になる場合もあります。NICE:間擦疹、NHS:接触皮膚炎(かぶれ)

一方、いんきんたむしは白癬菌による感染です。湿疹と思ってステロイドを塗ると、悪化したり見た目が変わって診断しにくくなったりします。市販のかゆみ止めや水虫薬を、原因が不明なまま次々に試すのは避けましょう。日本皮膚科学会:股部白癬、CDC:白癬の治療

性行為がなくても起こるカンジダ

カンジダは真菌(カビの仲間)の一種で、もともと体に存在しますが、菌のバランスの変化などで症状を起こします。抗菌薬の使用、妊娠、糖尿病などが関係する場合があります。外陰部・腟だけでなく、亀頭や包皮、股の皮膚にも症状が出ることがあります。症状だけで感染経路やパートナーの行動を推測することはできません。NHS:カンジダ

性病でみられる水疱・排尿痛・分泌物

性器ヘルペスでは、かゆみやピリピリ感に続いて水ぶくれ・ただれが出ることがあります。トリコモナスなどでは、おりものの変化や刺激感がみられます。クラミジアや淋菌などによる尿道炎では、排尿時の痛みや分泌物が手がかりになりますが、症状がない場合もあります。

性行為後に出たという時間関係だけでは原因は決まりません。NHS:性器ヘルペス、NHS:腟炎、NHS:尿道炎

受診までの洗い方と下着の選び方

外側の皮膚はぬるま湯でやさしく洗い、こすらずに水分を押さえます。汗で湿った下着を替え、締め付けや摩擦を避けましょう。香りの強い製品、消毒剤、腟内の洗浄は控えてください。掻き壊しや、刺激になる毛剃りも避けます。これらは原因の治療そのものではありません。NHS:おりものと外陰部のケア、NICE:間擦疹

感染が疑われる症状がある間は性行為を控えて相談を。毛ジラミなど、コンドームだけでは防げない原因もあります。NHS:性器ヘルペス、NHS:毛ジラミ

よくある質問

Q. 病院ではどんなことを調べる?

医師がかゆい部位や皮膚の状態、ほかの症状を確認し、必要に応じて皮膚や分泌物などを調べます。検査は疑われる原因によって異なります。NHS:腟炎、CDC:白癬の検査

Q. 性行為の何日後に検査すればよい?

感染症の種類、検査方法、採取部位によって異なるため、一律の日数では案内できません。症状があるなら「検査できる時期」を自己判断で待たず、性行為の日付と症状を医師に伝え、検査や再検査の時期を相談してください。CDC:STI検査

Q. 前にもらった薬を塗ってもよい?

以前と同じ病気とは限りません。皮膚用の薬を粘膜に使えるとも限らず、白癬ではステロイドで悪化することがあります。薬の名前と使用部位を医師・薬剤師に確認してください。CDC:白癬の治療

この記事は医師の監修を受けていません。一般的な医療情報としてお読みいただき、診断や薬の使用、検査の時期は医師に相談してください。

出典確認日:2026年10月29日

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